2021年3月号 | ||||||||||||||
リレー随筆 「鮭っ子物語」 No.210 |
||||||||||||||
「故郷(ふるさと)との繋がり」 |
||||||||||||||
私は高校までは、村上のお城山の麓にある二之町に住んでいました。現在は既に後期高齢者の仲間ですが、故郷を離れて随分と長くなるなーと今回の投稿依頼を受けて改めて感じています。残念ながら既に実家も両親のお墓も故郷にはありません。地元で同級会でもない限り訪れることもなくなりました。寂しい限りです。 突然ですが、皆さんは初めて出会った方とこんな会話をされたことはありませんか? “ご出身はどちらですか?” “新潟県の北部にある村上と言うところです” “ああ!あの鮭で有名な所ですね” 特に晩秋から冬にかけては、村上の鮭に絡むマスコミ報道が多くなり、この時期、村上は全国区だなーとつくづく感じるものです。幼き頃、父親に「もし家が火事になったら何をもって逃げる?」と聞いたことがあります。その時、即答で「それは、縁側に吊るしてある塩引き鮭だなー」と言う返事でした。そこには、村上の人達の鮭に対する深い愛着があったんだなあーと、今更思います。 それは兎も角として、大学を出て初めて赴任したのが現在住んでいる京都という地です。 既に半世紀以上この地に住み着いています。確か高校の修学旅行で訪れた時に、“いいなー京都は!”と憧れたものですが、まさかこの地にこんなに長く住み着くようになるとは、これも何かの縁なのでしょうか。尤も、それでも私の場合は所謂「京都人」と言う人種ではなく、“よそ者”です。 関東圏と違って、こちら関西圏は村上からは随分離れていますから同郷の人も少ないんだろうなーと思っていました。後年退職後に縁あって高校の同窓会の関西支部に関わるようになって調べて見ましたら、思いのほか、現在住んでいる同窓の方だけでも150人近くはいるんですね。例えば、嘗て帰省の切符を手配に旅行社に並んでいると村上まで下さいと窓口で言っている女性に出くわしましたら、何と高校の同級生で京都の旧家に嫁いでいる人だったとか、仲間の伝で尋ねた京都の有名な先斗(ぽんとちょう)町の京料理のお店「たき井」(卒業生が嫁いでここで女将として活躍)、また大阪の豊中で居酒屋「梅小町」を開いている卒業生(今や有名になった大町の喜ッ川のご主人の妹さん)、ご近所に住んでいてある日突然田舎から送って来たんですよ、沢山ありますからお分けしますとハラコを持参されたご婦人(県人会で偶々ご近所だとわかった方)、またある時にはウォーキングツアーで偶々ご一緒した男性が小国町出身(現在は神戸の近くの三田に在住)だった、など等ここ関西でも同郷人との突然のいろいろな出会いがあり嬉しくなりますね。 そういえば随分昔になりますが、初めてこちらの高校の関西支部の同窓会に参加した折には、支部長の板垣安夫さん(元住友金属工業専務、住友特殊金属社長)はじめ、お歴々の諸先輩に囲まれて末席で小さくなっていたのを思い出します。そうそう、来賓では当時関東支部長をされていた稲葉修さん(元衆議院議員、法務大臣)も見えていましたっけ。また歴史的には第6代村上藩主内藤信敦の頃には、京都所司代もやられていたとか、近年では高野山の奥之院では、何故か「越後村上藩・内藤候」や即身仏で名高い「仏海上人」(村上の肴町にある観音寺の住職もしていた)等の墓碑にもお目にかかり、故郷村上と関西との繋がりに不思議な縁を感じています。 そして今でも、5月には笹団子や粽を、暮れには塩引き鮭、ハラコ、酒浸し、餅など折々の懐かしい郷土の産物を取り寄せて賞味しています。 最後になりましたが、興味がありましたら是非皆さんに読んで頂きたい本を下記にご紹介します。 ◎「小さな城下町」 安西水丸(イラストレーター)著 文春文庫刊 (村上大好きの著者安西さんが全国の20箇所の中から、いの一番に挙げた村上が最初のページに出てきます。あの著名な作家の村上春樹さんの村上好きの話も出てきますよ!) |
|
|||||||||||||
東京村上市郷友会ホームページ リンク |
||||||||||||||
|
|
|||||||||||||
表 紙 | WEB情報 | サイトマップ | バックナンバー | 検索・リンク 発行:デジタルショップ村上 新潟県村上市・岩船郡7市町村 月刊デジタル情報誌 2001年1月1日創刊 (c)2001~murakami21.jp All rights reserved Produce by Takao Yasuzawa |