2018年12月号
  リレー随筆 「鮭っ子物語」  No.200


ふるさと村上で
東京村上市郷友会創立140周年記念事業を終えて



 長年の念願であった「故郷へ帰って三面川の鮭を食べる会を実施する」が、今回の記念事業に合わせ実現することとなった。一年がかりで計画を立て準備を進めて来た大型バスを仕立てての村上行きは、一部現地合流の方を除き40名が参加となった。
 11月23日(金)早朝より好天に恵まれ、バスは新宿西口を8時に出発した。3連休初日のため、道路の渋滞は充分に予想されたが、首都高から関越道に入り長野方面へと別れる藤岡ジャンクション迄に普段の倍の時間がかかってしまった。しかしこの間に赤見会長の挨拶や参加者の自己紹介など時間を有効に使えた。
 車窓から見える上州の山々の美しい紅葉を楽しみながら、配られたお弁当を正午となる赤城高原あたりで各自食した。谷川山系に近づくにつれお天気が怪しくなり、12:30関越トンネルを通過し新潟県へ入ると、まさに「トンネルを抜けると雪国だった!」今までの青空が一変しての吹雪模様となり、途中の湯沢あたりでは一面真っ白な状態であった。
 3度目の休憩を越後川口SAでとり、村上の観光用ビデオを見ながら一路村上へ北上した。
 約1時間で長岡・新潟西を通過、このあたりで空も明るくなり天気も回復してきた。
中条を過ぎたあたりの田んぼでは、白鳥の群れが餌を啄む様子が見られた。昔は瓢湖だけだった白鳥が最近では村上の近くでも見られるようになったのは嬉しい。
予定より大幅に遅れ15時頃村上に到着した。このため最初に見学予定のおしゃぎり会館をやめ大洋酒造の訪問となった。丁寧に酒蔵を案内をしていただき、利き酒を楽しんだ。
 何とか、予定の16時に瀬波温泉の大観荘に到着した。18時からの開宴まで、皆さんにはゆっくり温泉などを楽しんでもらう。役員幹事はすぐに会場に集合し、準備に追われた。

 17時30分に受付が始まり、18時より「創立140周年記念式典」が郷友会の宮絢子幹事の司会で開始した。最初に赤見会長からの挨拶、続いて、来賓のご祝辞は高橋邦芳村上市長と若井謙一新潟県人会副会長、稲葉大和元衆議院議員様からいただいた。続いて東京村上市郷友会に対し村上市長と新潟県人会より感謝状の贈呈がおこなわれた。また郷友会として長年会の活動に貢献いただいた5人の相談役に本会長より感謝状が贈呈された。
 休憩後、司会進行が濱中壽子幹事に交代して、「祝賀会・三面川の鮭を食べる会」がスタートした。村上を代表する地酒「〆張鶴」と「大洋盛」の2つの樽の鏡開きに続き、半田宏村上商工会議所副会頭の乾杯の音頭で開宴した。
歓談の時間では横野寅夫新潟県人会名誉相談役と忠聡村上副市長からご挨拶をいただいたが、その後時間が追ってしまい、ゆっくり歓談の時間も取れずアトラクションとなった。最初は瀬波温泉の潮太鼓、観光協会専務理事自ら率いての力強い演奏であった。続いて伝統芸能である小国町の獅子舞の勇壮な踊り、そして村上の歌姫朝日奈ゆうさんの唄とそれぞれに会場は大いに盛り上がった。

 美味しい地酒といろいろな鮭料理や村上牛のしゃぶしゃぶに舌づつみをうちながら
大勢ご参加いただいた県人会役員の方々と村上の方々との交流・懇親も図ることができた。会場では懐かしい「村上甚句」の唄声も起こり、唄声に合わせて大きな輪が出来るなど一段と場は盛り上がった。楽しい時間はあっという間に経過し、次のプログラムへと進んだ。
 最後は田所和子幹事の発声により参加者全員での合唱、恒例の「汽車」「ふるさと」そして「郷友会歌」を全員で歌い上げた。
中締めの挨拶は郷友会代表幹事の佐藤勝より「念願の故郷での鮭を食べる会に沢山のご参加に感謝、地元皆様の歓迎とおもてなしに感謝します」の謝意を込めた挨拶で締めた。中締め後、平原三男副会長から地元幹事である佐藤廣・安澤孝雄両氏の紹介があり、最後に平原副会長の音頭で「万歳三唱」をし、閉会となった。

 11月24日(土)朝7時より各自一階のレストランにてバイキング形式の朝食をとったが、あいにくのお天気で朝から雨模様であった。8時半最初の見学地へ出発。三面川の「鮭の居繰り網漁」の見学では、傘をさし寒さに耐えながらの見学となった。既にNHKの取材班も来ており、三艘の小舟による伝統の鮭漁を撮影していた。漁業組合の方から居繰り網漁についていろいろ説明を受け、上流から下流へ船を流しての漁では幸い2~3匹づつ網に掛かる様子を見、川を堰き止めて行う「ウライ漁」では大きな鮭が沢山あがるのを見れ幸いだった。続いて、イヨボヤ会館に移動した。日本最初の「鮭」に関する博物館である。
 我々のために館長さんが村上の鮭の歴史を丁寧に説明してくれ、種川に設置された観察窓から鮭が川を遡上する様子が見れるなど非常に興味深かった。タイミングが良ければ、鮭の産卵シーンを見ることができるとも言っていた。
 このあたりでお天気も回復しすっかり雨もあがっていた。タクシーとマイクロバスに分乗し、昼食会場である老舗料亭の新多久と能登新に向かった。2会場に別れての昼食であったが、それぞれ村上の誇る鮭料理を堪能する事ができた。
 昼食後は、ゆっくり歩いて古い町並みやお店の見学、買い物など自由時間となった。
午後2時過ぎにバスの待つおしゃぎり会館へ。わずかな時間だったが村上大祭に使われる絢爛豪華なおしゃぎりも見ることが出来た。
 午後2時半、バスは帰途についた。朝の雨に始まり午後は日が射す天気と、まさに初冬の新潟の天気を体感した一日であった。東北沿岸道路から北越道そして関越道へと順調。
 冬の日は早く5時前の湯沢当たりで真っ暗になる。連休の中日、渋川あたりから車が多くなり、来た時と同じく埼玉県に入ると大渋滞となり、7時半新宿着の予定がやはり2時間近く遅くなり9時過ぎの新宿着となった。皆さんお疲れではあったが、先ずは1泊2日の旅行も無事元気に帰る事ができ幸いでした。

 今回の事業を実施するに当たり、新潟県人会の皆様をはじめ村上市の関係者の皆様には多大なお力添えをいただき、深く感謝申し上げます。


佐藤 勝
(さとう まさる)
二之町出身
東京 西東京市在住







右端筆者







祝賀会・三面川の鮭を食べる会







祝賀会・三面川の鮭を食べる会

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リレー随筆「鮭っ子物語」は、村上市・岩船郡にゆかりのある方々にリレー式に随筆を書いていただき、ふるさと村上・岩船の発展に資する協力者の輪を広げていくことを目的としています。 (編集部)
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