2017年2月号
  リレー随筆 「鮭っ子物語」  No.188



村上愛”に燃える男の便り



大滝 正次
(おおたき しょうじ)
・昭和12年 村上市片町生まれ
・村上幼稚園
・村上町立区国民学校入学
   (卒業時村上小学校に改称)
・村上中学校から村上高等学校へ
・私立東洋大学文学部国文学科
・株式会社ドラッグマガジンに入社
    70歳にて退職
・現在、東京村上市郷友会副会長



筆 者


高橋市長から物産品を受け取る筆者
東京村上市郷友会主催
「三面川の鮎を食べる会」にて



東京村上市郷友会友人と
(中央筆者)







 村上で生まれ村上で育った我々村上っ子にとっては、どこにいても忘れられない思い出が沢山ある。なかでも、各町内にあったお宮様や仏様にまつわるいろんな祭り事である。生まれ育った町内におけるいろんな催しの数々を、想い出しては今でもワクワクする事が沢山ある。子供の頃から無類のお祭り好きの小生にとっては懐かしい思い出が沢山ありすぎ何を取り上げて良いか迷ってしまう。
 幼少時は戦時中ながら比較的平穏だった村上の町、その町内に存在した神社の氏神さまのお祭りやお地蔵さんのお祭りは盛んで、賑わっていたのは城下町村上ならではのものだったと思う。その極めつきは村上大祭とお盆の七夕祭りではないだろうか。

 村上大祭は江戸時代から続く県内三大祭りの一つで、寛永十年の羽黒神社の遷座祭りに大八車に太鼓を積んで町を練り歩いたのが始まりという。小生は幼稚園の頃から親の影響も有り祭り大好き人間となり、7月6・7日に施行されるこの村上大祭の時期に笛や太鼓の音が聞こえてくると、居ても立ってもいられない程に衝撃を受けたものだった。各町内から19台の山車(おしゃぎり)が町中を練り歩くのだが村上大祭における片町の屋台の巡行順は16番目、乗せ物は「蘭龍王」である。おしゃぎりを引く時に唄う村上甚句は今でも鮮明に憶えていて、同窓会や郷友会などでも興が乗ればいつでも唄い踊ることが出来る。
 そしてお盆の七夕祭り8月16・17日の獅子舞と子供による笹らすりなどにも積極的に参加した想い出が一杯で生涯忘れられない。このお祭りは村上の若い衆が19台の屋台を引きまわし、各町内を回り悪鬼を追い払うために勇壮な獅子舞を舞っては御祝儀を貰うというものである。片町の獅子舞は県や全国の舞踏大会で舞い、幾多の賞を冠しているほど高く評価されたものだ。

 そして、子供の守り神様といわれるお地蔵さんの祭りも大好きで、町内の片町庚申堂でのご開帳に始まり、「南無地蔵」と唱えながら鐘をカンカンカンと叩きながら町内を巡り歩いた子供の頃の心根は今でも鮮明に想い出される。また親から貰った少ないお小遣いを手に神社境内に建ち並ぶ夜店で綿あめをなめながら買い物に歩くことがたまらなく楽しいものだった。

 以上、お祭り大好き人間の小生にとって、時代が変わり、いくら年をとってもどこにいても、忘れられない、幼少時から青春時代の故郷村上の想い出をいくつになっても“村上愛”に燃える男の便りとして読んで頂ければ幸いである。

片町のおしゃぎり屋台


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リレー随筆「鮭っ子物語」は、村上市・岩船郡にゆかりのある方々にリレー式に随筆を書いていただき、ふるさと村上・岩船の発展に資する協力者の輪を広げていくことを目的としています。 (編集部)
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