http://www.murakami21.com 村上広域情報誌2001
2013年3月号
  リレー随筆 「鮭っ子物語」  No.141


市岡 貞雄さんを偲んで



三面川の鮭を食べる会での市岡さん(赤いジャンバー)
平成24年12月8日 東京上野水月ホテル鷗外荘にて



哀悼の言葉
年明け間もない「鮭っ子物語」の原稿に、まさかこのような事を書くことになるとは思ってもいなかった。後述にある市岡さんの訃報を貰った時、覚悟していた事とはいえ強い衝撃を受けた。思えば私が郷友会会長の役を引き受けた10年前から優れた補佐役として本当に良く助けて貰った。会の活動を盛り上げ、故郷村上との良き懸け橋になるなど、大きな貢献をされた市岡さんの訃報は会にとって大打撃である。「三面川の鮎を食べる会」など市岡さんの献身的な努力が有ったからこそのものだった。故人の稲葉修代議士にも指南したと言う鮎釣り名人には毎年食材の調達にご苦労をお掛けしていた。今日(3月2日)東京千住仲町にある菩提寺浄土宗「源長寺」にて納骨の法要に立ち会う事になった。
また3月20日には卒業後60年を期して行われる村上中学校同学年会(六樹会)が故郷村上で開催との案内状が届いた。私は当日、市岡さんの「魂」を胸に幼馴染みだった平原さん等と共に参加するつもりでいる。これは「故郷村上への市岡氏の凱旋だ」と私は思っている。
東京村上市郷友会会長 赤見市郎

市岡貞雄さんを偲んで
同年の幼馴染みで社会人になってからも幼少時と同様のお付き合いでした。
忘れもしない45年前、お互い故人になったら故人に対して弔辞を述べる約束をしました。ご臨終にも立ち会い、私が弔辞を述べる事となりました。
市岡くんは東京村上市郷友会の活性化を図るため「三面川の鮎を食べる会」を自分で企画、開催し近年では安定した会に落ち着いて来ました。今後故人の遺志を無駄にせず、村上在住の鮎釣り名人等のご協力も頂いて「三面川の鮎を食べる会」をしっかり引き継いでいく所存です。親愛なる友人貞雄君のご冥福をお祈り致します。                
郷友会役員 平原三男

市岡事務局長の死を悼む
1月18日夕方、郷友会の先輩幹事平原さんから突然の電話を貰った。「今市岡さんの奥さんから連絡があり容態が悪くなったのですぐ来てくれないかとのこと、赤見会長には連絡取れない、俺は先に行っているのであんたももし時間有れば来てくれないか」というものでした。        
市岡さんは昨年12月の「三面川の鮭を食べる会」に体調思わしくない中で無理に参加されその後お正月明けから再入院していたのです。病院は一昨年初めて胃がんの手術をされた北千住の自宅近く「内田病院」でした。夕方6時病院に着くと平原さんと奥様が何とか容態も落ち着いたと安堵していたところでした。私が手を握り話掛けると薄眼をあけ判るような仕草で応えてくれる。「市岡さんまた元気になって三面川で鮎を釣りましょうョ」というと何度も頷いてくれた。しかしその30分後またも容態が急変してついに帰らぬ人となってしまった。        享年75歳でした。  
残されたのは奥様とご子息一人だけ、昨年担当の医師から再発の状況と今後のことについて説明ありという時も赤見会長と平原さんが同席していた。そのため奥様だけでなくお二人は今日の事を覚悟はしていたはずだった。特に遠慮なく何でも言い合える幼友達の平原さんに対しては「俺が死んだら後の事は呉れぐれも宜しく」と言っていたという。驚いたのは当日亡くなって間もないというのに、故人が全て決めていたという葬儀社への遺体移動があり、その後の打ち合わせを奥さん、平原さんとの三人でやることになった。ここで再度驚いたのは昨年中頃からこの葬儀社にご本人が再三顔を出されご自分の葬儀について概略決めていたという事でした。またお寺とお墓の手配も全て済まされていたのです。お通夜と告別式など全面的に郷友会が支援という事で、葬儀委員長を赤見会長が務め皆で協力してお手伝いする事とし、喪主の奥様と郷友会名で市岡さんの訃報と告別式の案内状を会員ほか関係の方々に発送しました。
1月26・27日のお通夜と告別式では役員幹事の多くが受付他お手伝いをかって出てくれ、予想以上に多くの弔問を頂き盛大な葬儀となりました。地元からも村上市長、商工会議所会頭ほか沢山の弔電やお花が届くなど 改めて市岡さんが故郷との良きパイプ役を務め、いかに多くの人達から慕われていたか思い知らされました。棺には鮎釣りの時に愛用していたチョッキと大切にしていた稲葉修先生の鮎釣り方の本が入れられました。
昨年の「三面川の鮎を食べる会」の鮎の調達のため村上に通ったあの異常なまでの執念は、今になってみるとご自分の最後を悟ったうえで最後皆に三面川の鮎を食べて貰いたいという強い気持ちだったと思われます。5年程前から毎年鮎釣りシーズンには川で市岡さんと行動を共にした村上の兄も今年はそれを強く感じたという。市岡さんの天候などによって変化する川の状況を見極める眼、ポイントを決めると真剣に竿を振り続ける姿とその釣果には地元のベテラン釣り師達も敬服していたということです。
長年東京村上市郷友会の事務局長として多大なる貢献をされて来た市岡さん、いつも穏やかで怒った事を見た事のない素晴らしい方でした。大切な方を失ってしまった郷友会ですが、今後役員幹事皆で力を合わせ会の運営に努力していくことを決意し、心から哀悼の意を表します。
郷友会幹事 佐藤勝
 
次回予告
小杉 和也さん
リレー随筆「鮭っ子物語」は、村上市・岩船郡にゆかりのある方々にリレー式に随筆を書いていただき、ふるさと村上・岩船の発展に資する協力者の輪を広げていくことを目的としています。 (編集部)
「鮭っ子物語」バックナンバー 
東京村上市郷友会
村上高校同窓会(リンク)
村上高校同窓会関東支部(リンク)
新潟県人会(リンク)

表 紙 | WEB情報 | サイトマップ | バックナンバー | 検索・リンク 

発行:デジタルショップ村上
新潟県村上市・岩船郡7市町村 月刊デジタル情報誌 2001年1月1日創刊 ムラカミ21ドットコム
(c)2001~murakami21.com All rights reserved
Produce by Takao Yasuzawa