http://www.murakami21.com 村上広域情報誌2001
2012年7月号
  リレー随筆 「鮭っ子物語」  No.133


「鮭の子のように」


佐藤 廣
(さとう ひろし)
昭和23年 村上小学校卒業
昭和30年 京都郵政研修所入所
昭和31年3月以後
  郵政各所 近江八幡 神戸中央 
  東京簡易保険局 
  村上 長野 村上 歴任
平成13年3月 退職
現  在
村上市選挙管理委員
村上市明るい選挙推進協議会会長
村上地域シルバー人材センター副理事長 等





筆者





佐藤伊助の碑(東林寺)
長尾半平書





お城山の桜  本年4月末満開 
三面川の清流を見下ろして





三面川の鮎釣り
右 名人市岡氏




雪のお城山山頂
本年2月 大雪の朝





新緑のお城山 市役所前から
 東京村上市郷友会 赤見会長様の故郷を大切に思われての熱い願いから始められた、リレー随筆「鮭っ子物語」既に十年余毎月発行で132号を数えられたとのことに敬服いたします。
 この度、皆様の郷里村上に現在暮らしている立場からの投稿をとのお声がかかり、ペンを執らせて頂きました。
 東京村上市郷友会創立百三十年の記念の会にはお招きを受けて懐かしい皆様方と親しく懇談の機会を頂き、又一昨年の「三面川の鮎を食べる会」にも参加させて頂き皆々様がふるさとへの一方ならぬ思いを抱き続けて居られることに感銘を受けました。
 明治12年創立という東京村上市郷友会は、本誌65号で弟も書かせてもらった私どもの祖父 佐藤 伊助が明治30年代から大正時代にかけての衆議院議員として、時代を同じくする 長尾 半平先生と共に郷友会の運営に尽力、在京学生諸子のために郷友館を設け、その維持に力を注ぎ続けたとあります。
 又村上に鉄道を誘致し、東北電力の前身である村上水電株式会社の設立を企図し筆頭発起人としてその実現に力を尽くし郷土村上近代化の礎を築いた事が「村上市史」にも記されております。
さて、昭和10年に村上で生まれた私ですが父の勤務先、当時の満州ハルピンで5歳の時から終戦1年後までの幼少期におおらかな大陸の風土と激動の時代を体験し、昭和21年秋戦争の傷跡が生々しく残る広島と神戸の惨状を目の当たりにしながら郷里に帰り着いたのが記憶に残る村上の暮らしの始まりでした。
 村上小学校5年生に編入され、翌年新学期に本町学校と統合し広いグランドを机や椅子運びしたことも思い出されます。 翌春新しい村上小学校の第1回卒業生となり、旧本町学校を増改築した新制村上中学校卒業の春、三面川の鮭の子の様にふるさとを後にした私は、滋賀県彦根市の近江高等学校に進学、その後 京都郵政研修所を振り出しに近江八幡郵便局、神戸中央郵便局、東京地方簡易保険局を歴任、昭和38年2月 三・八豪雪に埋もれた郷里村上に戻って来ました。
 比較的温暖な土地で過ごした12年間の後だっただけにこの年の大雪は大変な厳しさでした。それだけに寒気のゆるみと共に町々で懐かしい雪割りの作業が始まり、あちこちに蕗の薹が顔を出して春の訪れを感じた時の嬉しさは格別でした。  子供の頃父に連れられて鮒釣りに行った七湊の石川、夏休みには毎日水鏡を持ってカジカ取りに熱中した三面川、残念なことに高度成長の陰で少しずつ自然が変化し始めて居ることに気付いたのもこの年でした。
 村上郵便局では簡易保険の営業を担当して区内全域 多くの方々との知己を得、お世話になりながら先祖の業績を再認識する機会にも恵まれました。
 長野県の塩尻、須坂郵便局の管理者を務めた後は村上に戻って特定郵便局長通算20年、当時は郵便創業の父 前島 密翁の掲げた「普く公平・公共の福祉のため」を理念とする三事業一体の国営事業として広く国民の皆様に愛される郵便局としてご利用頂けたよき時代で、一層地域の皆様との絆を深める事が出来ました。 
 定年退職後は町内会の集会所建設を手掛け区長を務めながら、シルバー人材センターに所属して武家屋敷若林邸の土日管理人を務め、遠来のお客様との ふれあいを通じて「観光村上」の一助を心掛けました。 お城山の麓に暮らす幸いで登頂を日課として四季折々の自然に親しみながら、帰郷してお城山に登る方々、そして近年増え続けている観光客の皆さんに快く登山して頂けるよう七曲りの清掃にも有志の協力を呼びかけて実践を続けています。
 村上の恵まれた自然は三月の渓流魚解禁と共に、山女魚・岩魚との出会い、多彩な山菜のめぐみを与えてくれ、やがて日本海のキス釣りシーズンに移り、7月1日には待望の三面川鮎漁解禁です。数年前の夏、東京での「三面川の鮎を食べる会」のためにと真剣に竿を振る鮎釣り名人の市岡様と十川でお会いし、その熱意に感激して以後及ばずながら出来る限りのお手伝いをさせて頂きつつ清流の夏から秋を楽しんでおります。 秋ともなれば愈々鮭の帰る季節、イヨボヤ会館と三面川の一括採捕場には多くの観光客も訪れ活況を呈します。塩引き道場も年々好評で私も五年連続通って腕を磨きました。
 今 村上では「地域の元気づくり」と題して改めて地区毎に組織的な活動を始めているところです。
 会員皆様の大切な故郷村上の豊かな自然とかけがえのない伝統を守り続けて行くためには、遠くふるさとを離れてもいつも心にかけて頂く皆様の広い視野からのご提言を活かせるように心がけて参りたいと思います。
 皆々様一層のご活躍とご健勝をお祈り申し上げます。 

リレー随筆「鮭っ子物語」は、村上市・岩船郡にゆかりのある方々にリレー式に随筆を書いていただき、ふるさと村上・岩船の発展に資する協力者の輪を広げていくことを目的としています。 (編集部)
「鮭っ子物語」バックナンバー 
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次回予告
小池 正一郎さん
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