五穀の宝庫土壌肥えて
尽きぬ○○の野の幸に
文化産業絢爛と
花咲き薫るこの繁華
興せ自由の○○○
あさみどり
すみたるそらに
とぶはとの
しろきつばさも
おのづから
平和のしるし
生産の
ちからにみちて
○○○
きょうもあけゆく
読者のみなさん、この二つは何の詩かわかりますか。はじめの詩の○○に「越後」、○○○に「新潟県」と、二番目の○○○に「大東京」と挿入してみてください。実は新潟県歌二番と東京都歌一番の歌詞なのです。
県歌とか都歌というとあまり聞きなれないものなのですが、子供の頃両方とも歌い方を教わったことがあり、今でもおぼろげながら口ずさむことができます。一番から三番までの歌詞を通してみるとそれぞれの土地の風物が想像できてすばらしい歌になっていると思っています。
私は“風物詩”という言葉が大好きです。辞書をひくと「景色や季節をうたった詩」と書かれています。私が好きな理由は、このようなことではありません。風物を表現する中にその土地に住む人々の生活にかかわる物語、いわば人の営みを思い起こさせる何ものかが秘められているところが大好きなのです。
先日、JR福生駅に併設されている福生市プチギャラリーで催された西多摩再発見フォトコンテストNISHITAMA百景入選作品展を訪れる機会がありました。
会場には西多摩の風物をテーマにした129点に及ぶ作品がところ狭ましと展示されていました。いずれ劣らぬ力作でしたが、私はその中でも学生部門賞を受賞した作品「西中のコスモス街道と五日市線」に思いを寄せるものがありました。
この場合の「西中」はあきる野市の「西中」と判断できましたが、撮影者は女性で、学生部門賞を受けていることから推測して同校の生徒か或いは撮影場所をひらがな書きにしてあるので小学生かと思いをめぐらせました。残念ながら年齢の記載がなく、わからずじまいで会場をあとにしました。
同校のホームページに校庭の五日市線側の一部にコスモス街道と名づけられた花壇を作り、生徒達が熱心に手入れしている姿が紹介されています。可憐で美しいコスモスの群生を中学生達が育て沿線の人々を楽しませてくれる、私はこんな風物詩が大好きです。
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