No.66 西の風新聞目次
「0(ゼロ)からの風」
平成19年6月15日付
 「0(ゼロ)からの風」(国土交通省後援 監督塩屋俊 製作ウィル・ドゥ 主役田中好子)の上映会が去る5月、立川市女性総合センター・アイムホールで開催された。上映は2回行われ何れも超満員の盛況であった。

 映画の内容は、次のようなものであった。
―今春早稲田大学を卒業したある母親(鈴木共子さん57歳神奈川県座間市)の一人息子(当時19歳)は7年前、早稲田大学に入学一週間後、自宅付近で速度100キロ以上の暴走車にはねられ友人とともに即死した。加害者の男は免許失効中の身にありながら無車検、無保険の車に乗り、泥酔状態でパトカー追われていた。3度目の事故であったのにもかかわらず「業務上過失致死罪」と処理され、刑期は当時最高の5年であった。二人の未来ある若者の命を一瞬にして奪い去ったというのに何故「業務上過失」なのか?何故たったの5年の刑期なのか?一人息子を亡くした喪失感、絶望、怒りが交錯する中、刑の軽さに疑問を感じた母は、同じ思いを抱く仲間達とともに2年間街頭に立ち、約37万人の署名を集め刑法改正に動く。2001年、彼女達の血のにじむような努力は実を結び、国会審議を経て、市民による法改正として「危険運転致死傷罪」(最高刑期20年、併合加重の場合は最高30年)の新設を成し遂げた。

 彼女の闘いはこれだけで終わらず、果たして息子の死はこれで報われるのか?この疑問を、自身の早稲田大学受験という行動に転じさせ、署名運動の最中、息子の机で、息子の使っていた教科書、参考書、ノートを辿りながら受験勉強し、三度目の挑戦で早稲田大学文学部に入学する。「息子の人生を代わりに生きるのだ」と。―

モデルの鈴木共子さん、亡くなった息子さん二人とも早稲田大学関係者とあって、今年創立125年周年を迎える大学のバックアップを得て、多摩地区の各校友会(23市毎結成)は、前述の立川を皮切りに各地でこの映画の上映会を計画している。校友会関係事業「地域発125フェスティバル」と位置づけての取り組みだ。

福生市・あきる野市等7市で構成する早稲田大学校友会東京三多摩支部北部ブロックでは、9月1日(土)午後2時30分からルネこだいら大ホール(1250席、西武新宿線「小平駅」南口徒歩3分 製作協力券1000円)で上映、モデルとなった鈴木共子さんを迎えて開催する準備を進めている。

<参考資料>
㈱ウィル・ドゥ発行資料他新聞各紙記事、テレビ局放映記録他 


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2002・8・9~ Produce byIchiro Akami