2021年8月号
  リレー随筆 「鮭っ子物語」  No.215



遠きにありて・・・


 私のふるさとへの思いを徒然なるまま書かせていただこうと思いますが、タイトルは現在の状況にピッタリ合うのではないかと自賛しています。帰省したくてもできない今、離れた地から故郷や家族のことを思っています。
 関東地区に住んで40年以上になりますが、「村上ってどんなところ?」と聞かれると「自然が豊かで食べ物も美味しいよ。」と自慢します。夏は海水浴、冬はスキーが30分圏内で行けるので、子どもが小さい時は新潟の実家に行くのをとても楽しみにしていました。四季の良さを実感できるところだと思います。温泉は瀬波が有名ですが、荒川峡温泉もいい所で、スキーができる温泉、として一時ブームになりました。
 海について、遠浅ではないので小さい子には注意が必要ですが、岩場で貝を採ったりなども懐かしい思い出です。何よりも『日本海に沈む夕陽』は絶景で、瀬波温泉のキャッチフレーズになっています。また、この辺りは地質学的に貴重な断層があるらしく、高校時代に地学の現地実習でクラスメートと瀬波に行き、地学の木村先生が熱弁をふるっていたことを思い出します。笹川流れは景勝地で『唱歌・汽車』はこの辺りの風景を詠んだ、との説を聞いたことがあります。(いまはやまなか、いまははま…)村上駅の発車メロディーになっているらしいです。
 山について、臥牛山には実際に登りました。部活のランニングコースでもあったかな。山頂からの風景は素晴らしかったです。「日本国」という山があるのを友人に聞いて驚きました。山に囲まれた環境で育ったので、帰省時に山並みを見るとホッとします。写生会で絵を描くときは、背景にはいつも飯豊連峰がありました。
 村上のいいところは、何と言っても「人情」だと思います。地元の友達との集まりはいくつになっても楽しく、父に「お前のクラスはクラス会が多いなあ」と言われたのを思い出します。関東地区でも時々集まっていたので、2017年に高校同窓会関東支部総会があった時、当番幹事のために同級生が15人も参集してくれ、盛会になりました。数年前から同窓会の仕事をお手伝いするようになり、年代の異なる方々との出会いがありました。同郷のよしみで、一緒にいると安心感があります。人とのつながりをこれからも大切にしていきたいと思っています。
 村上出身で活躍している方も多くいらっしゃいます。映画監督の鶴橋康夫さん、ミュージシャンの大滝秀則さん、声楽家の和泉聰子さんには、同窓会総会でお会いしました。右の写真は、和泉さんのコンサートにお伺いした時のものです。
 数年前、同僚が「夏休みに新潟へ旅行に行ったよ。村上っていい所ね。」と言っていました。吉永小百合さんのCMのように町屋を散策し、関川の「大したもん蛇まつり」にも足を伸ばしたそうです。もちろん、鮭づくしの料理と日本酒も堪能したそうで、郷土を褒めていただけるのは嬉しいですね。鮭といえば、母に「鮭は捨てるところがない」と言われ私は皮も食べますが、皆さんはいかがですか。



小林 敦子(旧姓佐藤)
(こばやし あつこ)
関川村出身
村上高校卒業
埼玉県公立中学校で
英語科教員として勤務、 
現在に至る
吉川市在住











イタリア ピサの斜塔









中央が和泉さん、筆者は右端









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リレー随筆「鮭っ子物語」は、村上市・岩船郡にゆかりのある方々にリレー式に随筆を書いていただき、ふるさと村上・岩船の発展に資する協力者の輪を広げていくことを目的としています。 (編集部)
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