| 吉川真嗣・美貴の二人旅  No.10 
 上越市
 
 新潟県上越市
 
 
 
 1泊2日で旅行できる所というと、思いの他、相当に広範囲になるもである。そんな中で、ちょっとした小旅行を考える時、意外に「灯台元暗し」の近場を、この度は探ってみよう。
 
 今回、季節が良くなれば、是非にとお勧めしたいのが、上越である。県下きっての城下町であることは、今更申すまでもなく、そのお堀におびただしく植生している、蓮がこの度のテーマである。聞くところによると、この蓮の植生面積は東洋一と言われているとも。高田城をめざせばその手前に眼下一面に広がる蓮の葉が私たちを迎えてくれる。そのどこまでも続く蓮池だが、鍵状に折れ曲がりながら続く様は、蓮に沿いながら散策する私たちの視点を意図的に変えてくれるようである。私たちが訪れた10月下旬には、残念ながら蓮の大半の葉は枯れていたが、それでもそのスケールは圧巻であった。葉が本来の青を取り戻し、開花の頃にはいかほど美しいかと、想像しただけでも気分が高揚する。
 
 
 ところで「蓮の花」と言えば、連想するのは、お釈迦様、極楽浄土。あらゆるお花の中で最も波動が高い花と聞いたことがあるが、その真偽の程はともかく、長い長い風習により、人々の深い潜在意識に働きかける花である。桜、梅と花によって喚起される印象が様々のように、この蓮の花の満開時は、ひときわ人々を瞑想的で思索的な世界へといざなうことであろう。
 
 
 高田城跡地の敷地内に、日本画家で文化勲章受章者の小林古径邸(生まれ故郷の上越に東京から移築されてきたもの)があり、見学できる。蓮池を散策したり、しばし足を停めてみたりと、ふだんに無い時間の過ごし方をした後で、是非この古径邸を訪ねてほしい。何とも落ち着いた数奇屋造りの日本建築を、このようなおももちの時こそ、最高に堪能できること、うけあいである。
 
 
 
 
        
          
            |  たくさんある見所のひとつ
 旧師団長官舎
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            |  東洋一の蓮池(高田城跡公園)
 
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            | おすすめ食事処 
 
              
                
                  | 会津名産 本ぼうだら煮
 にしん山椒漬
 
  福島県会津若松市相生町
 Tel 0242-22-2274
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            | 小林古径邸 |  
 
 
 
 
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