新潟動物ネットワーク  
No.166


地域猫の取り組み


 私が「地域猫」という取り組みについて知ったのは、主人の仕事の都合で3年半前に新潟に転居してきてからでした。
近くの公園を散歩していると野良猫が多いことに気付きました。季節は春だったので母猫に付いて子猫がチョロチョロ姿を見せるのでとても可愛らしくそして長閑な気分になれました。しかし、その光景も一月も経たないうちに逆に心を痛める光景に変わりました。
 その春に産まれた子猫の殆どが猫風邪にかかり目ヤニや鼻水を垂らしはじめ、1/3程度はそれが悪化し死んでしまい、そして残った子猫の半分は何らかの事故(鳥や他の動物などに襲われる)に遭い行方が分からなくなってしまいました。最後まで生き延びた子猫の中の何匹かは貰われていきましたが。そうでない子は過酷な環境を生き抜いて行かなければなりません。




タバコの火を押し付けられて頭が焦げた仔猫です。




怪我でシッポが腐っている猫
 私は8ヵ月ほど餌やりを続けましたがこのままでは猫は増える一方で、またあの悲惨な状態が始まる前に何とかしたいと思い「新潟動物ネットワーク」(以降NDN)に相談を持ちかけた所、とてもスピーディーな対応で、その週末から猫の捕獲などの援助をしていただきました。
 そこの公園の野良猫の保護はNDNのプロジェクトの一つとなり、約1年をかけ捕獲→避妊去勢→譲渡、或いはTNR(Trap:捕獲→Neuter:避妊去勢→Return:元の場所に戻す)を繰り返しました。獣医さんから避妊手術した猫が「妊娠してました」と聞く度に「本当は産まれてくる筈の命なのに」と心が痛みましたが、二度とあの悲惨な事態を起こさないために心を鬼にして頑張りました。
 今ではその公園で子猫が生まれる事は無くなり、ここ1、2年で寿命を迎えた数匹が姿を消し猫の数は減って来ていますし、避妊去勢の証のサクラ耳の事を知っている人も随分増えた様に思えます。しかし、残った猫達の生活環境は相変わらず過酷です。ですから今までと変わりなく餌やり等のケアは必要です。





 最近公園の立看板は「避妊去勢もせずに餌を与えていませんか?」等と完全否定ではない表現に変わっています。これはNDNでも取り組んでいる「地域猫」の活動が定着して来た証でしょうか。しかし、残念な事に「餌をやるな」等の落書きをする人や餌場を荒らす姿無き抗議者は「地域猫のセミナー」などに出向いてくれる事は無く直接話し合う事も難しいのが現状で、餌やり現場は意地の張り合いの様になってしまいます。
 今のところその事に対する的確な解決策は見つかりませんが、「餌やりさん」のルール(餌やりは皿を使う、放置しない、必要以上に置き餌をしない等)やネットワーク(猫達の状態や苦情等の情報共有等)を作り秩序の有る活動にしていく事と、残された猫達の数年の命を粘り強く見守る事で、徐々に解決していくのではと考えます。




心ない落書き

保健所からの立て看板  

 「野良猫などという猫は本当はいない。人間の身勝手が生み出した副産物に他ならない。だから人間が手を貸してあげなければいけない」と私は考えます。





喧嘩で顔が腫れたボス猫(白ちゃん)。過酷な生活です。
新潟市/溝口.M
平成29年11月1日掲載

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