新潟動物ネットワーク  No.247


宝牧舎 アニマルウェルフェアお話会のご報告


5月15日、大分県別府市の山地で、牛の自然放牧をされている
「牛の幸せを考える牧場 -宝牧舎-」代表の山地さんを講師に招き、
オンラインでアニマルウェルフェアお話会を行いました。

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まずは、宝牧舎さんのご紹介をしたいと思います。

宝牧舎で暮らしている牛達には特別な事情があります。

「廃用母牛」という言葉をご存じでしょうか。
畜産の世界でお母さん牛は、生涯何度もがんばって子牛を産みますが、
高齢などの理由で妊娠しづらくなったり、子どもを産めなくなったりすると、
価値がないと「廃用牛」とみなされ、とても低い価値で市場で取引されていると言われています。

また、希少性の高いイメージのあるジャージー牛乳、
このミルクを出してくれるのはもちろんジャージー牛ですが、
身体が小さい品種のため、オスとして生まれたジャージー牛はミルクを出せず、肉牛としても価値が無いとして
ほとんどは生まれてまもなく「廃用牛」として殺処分されている現実があります。

山地さんは「廃用」という言葉をなくしたい、と宝牧舎をはじめられ、
こんな事情を持つ牛達を引取り、育てています。
とても熱い想いの牛飼いさんです。



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さて、今回のお話会のメインテーマは「オーガニックから考えるアニマルウェルフェア」。
”生きることは食べること”として、山地さんが普段の営みの中で抱いた疑問や課題を共有してくださいました。

現在、宝牧舎のお肉を扱っている飲食店・販売店は、山地さんの想いに賛同する、命や自然に寄り添うオーガニックレストランなど。オーガニックなどに意識の高いお客様も多いと思います。
それでも、似て非なるオーガニックとアニマルウェルフェア。まだまだ理解度の差もあり、宝牧舎のことを伝えた時の反応も違うことから、参加者の皆さんへ「みなさんはどんなものを食べますか=どんなふうに生きますか?」と問いかけをされました。

宝牧舎のお肉はオーガニックビーフではありません。
オーガニック100%で生活していきたい方にとっては選ぶ基準を満たしていないということになるのかもしれません。
でも、オーガニックとアニマルウェルフェアはもちろんイコールではありませんが、人と動物や環境に優しいという意味では同じです。
山地さんの問いかけに対して、答えは人それぞれ違うはずで、何が正しいという答えを出す必要も、ゴールもないと思いますが、自分が選んだものが未来を創るととらえて広い視野をもてるように意識したり、不自然なことに目をつむらずに疑問を抱いて、それに対して自分らしい選択ができるような生き方ができたりしたらいいなと感じました。

山地さんのお話の後の質問・交流タイムでは、畜産農家様同士の共感などもうかがうことができました。

私たちが毎日行っている「食べる(生きる)」という行為は
数えきれない命と様々な過程を経て成り立っているということを
改めてじっくりと考える機会をいただいたように思います。



ホームページもぜひご覧ください。
宝牧舎
https://houbokusha.jp/

新潟動物ネットワーク/AW(アニマルウェルフェア)班
佐藤 由希子
令和6年8月1日


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