新潟動物ネットワーク  
No.204



   樽ケ橋遊園のくーちゃん &

        
うさぎの里親さん大募集!!


さて、今回は、樽ケ橋遊園で飼育されている「くーちゃん」を通して、展示動物としてのツキノワグマのことを書きたいと思います。樽ケ橋遊園は胎内市が運営する施設で、遊園地と動物園を併設しています。胎内市民はもとより、周辺の方には憩いの場所になっています。ヤギ、鹿、アルパカ、ポニー、ダチョウ、鶏類、カモ、フラミンゴ、ニホンザル、ツキノワグマ、モルモット、うさぎ、フェレット等・・・22種約150匹の動物たちがいます。家畜と、身近な野生動物たちが中心で、珍しい動物はいません。





くーちゃんは、8年前に魚沼方面で子熊の時に保護され樽ケ橋遊園に引き取られました。ツキノワグマは飼育に条件がある特定動物に当たり、新潟県内では現在、4頭が飼育されています。特定動物とは飼養に当たって人の生命への危険性がある動物です。サルやクマ、ワニ、鷹、カミツキガメなどが該当し、以前は個人の飼育も可能でしたが、逸走の危険性などの理由から、昨年、動物愛護法が改定された際に新規で個人の飼育はできなくなりました。(この法改正はとても良いことだと思います。)





 くーちゃんは、狭い檻の中で8年間暮らしてきました。過去には、「日の当たらない狭い檻に入れられてかわいそうだ」と、会に意見をいただくこともありました。タイヤやボールなどの遊具が置いてありますが、地面はコンクリートで自然由来のものがありません。山の中で1日に何キロも移動するツキノワグマにとって、「狭い檻の中で生命が脅かされることなく生きること」と、「生存のリスクがあっても本来の生息環境で生きること」のどちらが幸せなのでしょうか。


樽ケ橋遊園が40年以上経って老朽化したことから、順次、リニューアルされることとなり、2019年秋以来、わずかですがお手伝いをしています。職員さんとお話をするようになってからは、古い施設ながらも愛情深くお世話されていることも知りました。くーちゃんは、穏やかな性格で、ストレス行動は見られません。


 


展示動物の知識はほとんどなかったことから、動物福祉や環境エンリッチメントで先進的な取り組みをしている大牟田市動物園に見学に行ったり、セミナーに参加するなどしてきました。限られた空間と予算でも、工夫次第で動物福祉が満たされることも学びました。胎内市職員さんはもとより、設計施工する業者さんも全国あちこちの動物園に足を運び、より良い環境を模索していました。検討会議にも呼んでいただき、オープンな雰囲気で自由に意見を交わせたことがありがたかったです。


大牟田市動物園のツキノワグマ「ツッキー」の施設
古い檻ですが、天然木や遊具で様々な工夫が!





  NDNスタッフで作ったくーちゃん用のハンモック



足場を組んで少しずつ建設がはじまりました



 
クマ舎が完成し、11月末で冬季閉鎖となったことから、いよいよ12月27日くーちゃんのお引っ越しとなりました。移動用の檻が用意され、地元の獣医さんが吹き矢を使って眠らせました。







 
車で2分ほどの新しい施設に移動。ここには岩場、砂場、水遊び場、丸太の橋やハンモックが用意されました。今までの檻に比べると何倍もの広さと高さがあります。また、片面は強化ガラスになっており、檻を通さず外を見ることができます。(人間の側からも中がよく見えます)


 




麻酔が覚めるまでの2時間はドキドキしましたが、無事に目覚めたくーちゃんに、みんなでほっと一安心!がんばったね、くーちゃん!!


 


野生のツキノワグマなら冬眠する季節ですが、これまでもくーちゃんは冬眠したり、しなかったりだったそうです。今は新しいお家に大喜びで興奮しているのか、全く眠る気配はないそうです。元気に過ごしており、入れた丸太もずいぶんと削れています。やっぱり自然のものが嬉しいのかな。


 










クマ舎の周りには実のなる木を植える予定もあります。みんなで木を植えて、育てて、木の実をプレゼントできる日が楽しみです。くーちゃんを通してツキノワグマを身近に知ることで、山の中で暮らす野生動物たちにも想いを馳せることができるようにと願います。

#樽ケ橋遊園  #動物福祉 #環境エンリッチメント #新潟動物ネットワーク #ツキノワグマ


 

樽ケ橋遊園ではふれあい動物舎の改修工事もおこなっています。
適正な飼育管理していくうえで個体調整が必要となるため里親を募集いたします。
樽ケ橋遊園で大切に育ててきたウサギを、
家族の一員として迎え入れてくださる方に無償譲渡いたします。
詳しくはこちらをご覧ください。
http://www.city.tainai.niigata.jp/sangyo/kanko/zoo/satooya.html
 


新潟動物ネットワーク/代表
岡田 朋子
令和3年2月1日掲載
 
 


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