新潟動物ネットワーク  
No.186



NDNフェスティバル御礼


 6月16日(日) 約230名の来場者を迎えて りゅーとぴあ能楽堂にて NDNフェスティバル2019 アニマルウェルフェアを考える~全ての命に思いやりを~ を開催しました。今年はペットではなく、畜産動物を考えるイベントでした。普段、何気なく食べている「食」としての動物たちの生きている間の「命」を考えたことはありますか? 落語家でアニマルライツセンターの理事でもある立川平林師匠をお迎えしての動物愛護落語と、AWを日本に最初に紹介した先駆者である東北大学名誉教授 佐藤衆介先生をお招きしての講演会。どちらも、まったく違う視点から、「命」について、しっかりと正面から向き合う内容でした。


 平林師匠の落語は、「覚醒」というキーワードで始まりました。知らずに被害者になっているかもしれない特殊詐欺の話題をヒントに消費者としての自覚を促した落語です。小さなカゴの中で閉じ込められている鶏のこと、ストールという狭い囲いの中で飼われている豚のこと、知らずにいることは加害者にもなっているというメッセージは、深く心に刺さりました。




                            

 佐藤衆介先生は、欧米と日本の歴史的な背景から、今、世界ではどんなことがスタンダードなのか、わかりやすく説明してくださいました。欧米は肉食文化。日本人よりはるかにたくさんの肉を食べています。だからこそ、畜産動物たちへの配慮も大変早いスピードで進んでいます。一方で、日本は農耕文化で、肉食が普及してから60年ほどしか経っていません。長く続く仏教思想から、「殺生」を嫌うため、慰霊という形で配慮しているものの、実際にそこにある命と向き合うのが難しい背景があります。消費者も、生産者も、AWという言葉自体をほとんどの方が知らない。


 今はグローバル社会で、AWを満たしていることが投資家の判断基準にもなっています。卵を産む鶏は、ケージフリーで飼育されているか、妊娠・分娩豚をストールで拘束して飼育していないか、ブロイラーの過密飼育や、極端に速いスピードで成長できるように改良しすぎていないか。オリンピックでも、AWに配慮されていることが食材調達の基準になっています日本を含めて世界182カ国が加盟している国際獣疫事務局(OIE)では、AWへの取り組みが積極的で、現在、提出が予定されている案では、今の日本のほとんどの養鶏場が基準を満たさないそうです。消費者である私たちが、何も知らないでは済まされないくらい、世界は変化しているのです







 トークセッションでは、新潟で活躍するお2人のゲストを迎えました。SUZUグループオーナーシェフ、食文化プロデューサーの鈴木将さんは食を提供する立場でAWを語っていただきましたすでにAWに配慮したたくさんの食材を利用していますが、これからも、どうしたら野菜を美味しく提供できるかを考えたり、できるだけAWに配慮した食材を使うなど、考えていきたいそうです。消費者代表のフリーアナウンサー伊勢みずほさんは、ご自身のライフスタイルをたくさんお話してくださいました動物実験を使っていない化粧品に切り替えたことご自身はお肉もお魚も大好きだけれど、背景をしっかり考えて、選べる消費者になりたいそうです。




 平林師匠は、「肉」が「命」だと気がついた時点で、お肉を食べることができなくなったとおっしゃっていました。佐藤先生は、「肉」が「命」だからこそ、それに配慮してできるだけ動物らしく暮らせるような環境を作っていきたいとおっしゃっていました。「命」としっかり向き合うこと。私たち1人ひとりが、しっかり命と向き合うことが大切なんだと、そんなことに気づかせてもらえるイベントとなりました。アニマルウェルフェアを、みんなで一緒に考えていけたら良いですね。お天気が悪い中、足を運んでくださったみなさま、本当にありがとうございました。






新潟動物ネットワーク/代表
岡田 朋子

令和元年7月1日掲載

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